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……違う、黒猫の三角

黒猫の三角 (講談社文庫)

黒猫の三角 (講談社文庫)

Vシリーズに登場するはっちゃけ気味のキャラクタたちは結構好きです。
そのVシリーズのトップバッターを飾る黒猫の三角。ちょっとだけ記録しときましょう。ちなみに、以下で示しているページ数は文庫版のものです。

東尾の台詞

ものの存在がいかに曖昧で、危ういものか……、それが明らかになる瞬間が、往々にして私の自覚される時間に起こる

マブラヴ/アンリミテッドのことかー!

宇宙人のなぞなぞ

東尾の回答は、問題の前提(境界条件って言うの?)そのものをひっくり返してしまうから駄目だろう。「交信」で行われていた意思疎通自体が信用ならないもの、という話になってしまう。いや、まずそれを疑え、って話なのか?
浅野の回答は、1つの解だと思います。でも私としては、P.7にある意味ありげな引用のほうが気になるわけです。

いいえ、彼、まだ独身よ。名前は林さん

この台詞にはしばらくの間騙されてましたね。もちろん言ってることは正しいので、こっちが勝手に騙されていただけですが。

首を締め付けられているのに、どれくらい動いていられるの?

林は「呼吸の問題」と言ってますが、その前に頸動脈の問題のような気が。鑑識に聞いてみて欲しい。

皇 名月氏による解説

作品に対する思いが感じられる解説はすばらしいと思います。

最初から何もかもわかってしまったのでは、新たに発見したときの感動を、味わうことができないのだから

まだ「何もかも」わかってしまったとは思いませんが、それでも、最初の読了後に気づいた/気づかされた各種の仕掛けには、その都度にやりとさせられています。で、そのうちの1つが、この皇氏の解説にある「登場人物の嘘」の話です。
私がこの解説を読んだあとに目を皿のようにして(ってどんな状態?)チェックして気がついたことは2つ。

保呂草の車のバッテリ

保呂草、バッテリ寿命を心配しながら喫茶店で尾行相手を待機練無たちに連絡練無と紫子、紅子と合流保呂草の側は尾行放棄して小田原理沙追跡に切り替え保呂草、小田原朋哉と帰る桜鳴六画邸の前で練無・紫子・紅子とパッタリバッテリ大容量のに取り替えたばっかり、と保呂草は自信満々
バッテリはいつ取り替えたんだー!

保呂草と早川と井口

早川と井口が友達だと言うことを初耳だというように振る舞う保呂草だが、実際には早川と井口は連れだって保呂草のところにバイト斡旋してもらいに行っていたので、知らないわけはない。単純に忘れていただけということもあり得るだろうが、「1パーセントの種族」とか自分で言い切ってしまうような奴が「忘れてただけ」ってのは考えにくい、というか本当にそうだったらただの恥ずかしい奴になってしまう。嘘としてはすぐばれてもおかしくないような嘘だし、「テストでわざと間違える」のと同じ感覚の、周囲を油断させるための嘘ではないか。
皇氏が気づいたのはこのどちらかなのか、それともどちらでもないまた別の「嘘」なのか? どうだろうね。