封印再度

読了。例によって密室、そして一般的でない動機。私などは、楽しんでますが既に本格推理ものとしては読んでません。本作について言えば「メタミステリ」という感じでもありません。謎解きは謎解きで存在しますが、なんと言うかパズルのような印象です。
とはいうものの、それはどんな感じなのか、と問われるとうまく説明できません。そもそも本格推理だって一種のパズルなんですから。まあ、何が物語の主題なのか、というだけの違いなのでしょうかね。森ミステリの構成要素としてはキャラクターに付随する物語が第一でミステリ要素は次点である、と。
閑話休題。本作の東風的ポイントはタイトルです。封印再度/WHO INSIDEというタイトル自体は駄洒落ですが、読了後に改めてみるとなかなか趣き深く感じます。
封印再度。封印されたのは蔵、記憶、天地の瓢/無我の匣。そして物語中盤でフェイントをかまされた萌絵と犀川の関係。
WHO INSIDE. 中に誰がいるのか。誰かいるのか。そもそも「いる」っていうのはどういうことなのか
なかなか満足しました。