まどろみ消去

S&Mシリーズの幕間、ということで短編集を読みました。

まどろみ消去 (講談社文庫)

まどろみ消去 (講談社文庫)

ちょっと私にとっては抽象的に過ぎる、と感じたものも何編かありましたが、全体的にはかなり楽しめました。「ミステリィ対戦の前夜」のアホっぽさもいいし、「何をするために来たのか」も今プレイしているあのゲームのことを思うとついニヤついてしまいます。
そのほか、ジェンダーをテーマにしたものが数編あるのもなにげに興味深かったり。管聡子氏による詩的私的ジャックの巻末解説「すべてはFフィメールの手に――森ミステリィの女性たち――」に対して「我が意を得たり」というのを書いたばかりですが、そのあとにこの短編集を読むと、このテーマについて森博嗣氏は何か考えがあるのだろうか、と深読みしてみたくもなります。