思うこと

何について思うことなのかといえば、先日のこの日記エントリ(id:ton-boo:20040914#p2)をご参照ください。サーチエンジンなど経由のネタバレを回避するため、ここでは書籍名を書きません。


つーてもたいしたことは書かないわけですが。まず、どうでもいいけど思ったこと。

  • 途中、いろいろな暗算が出てくるけれども、犀川が萌絵に対して投げた「256×256」はコンピュータに関わる人ならたいてい即座に答えられると思います。そりゃもう口に出す前に答が頭に浮かびます。むしろ「ちょうど65536」とか言っちゃいます。1つでも数字がずれて「255×255」とかになるととたんにダメダメですけど。
  • 最初、展開を見て人工知能の話か何かかと思いました。流石にあの受け答えを「実はコンピュータでした」とやるのは無理があるので、そっちの方向に話が進まなかったのは妥当だと思います。……や、「天才」なんて触れ込みで話がスタートするとそんなことまで気にしてしまう。
  • 今時だと素のtelnetはまずいですなー。たいていの場合、それを許す環境は、お世辞にもセキュアだとは言えない。
  • 天才の描写を読んでいて、ちょっとアトラスの錬金術師の分割思考を思い出したり。


んでもって突っ込み。かなりマニアックかつネタバレにつき要注意。

  • セキュリティ重視のシステムとしては、開発者以外の人がコードレビューしていないのは問題。システム自体にトロイの木馬、というのを防ぐための基本でしょう。ちなみに、明示的にそういう仕組みがなくても大衆にその仕組みを期待するのが一般的なオープンソースプロジェクト。
  • 記録の保管方法」もまたセキュリティ確保の重要なポイント。「アレ」だけPC上にファイルを持ち、しかも上書き確認も行わないシステムは間違ってる。真賀田四季は狙っていたわけだからまあいいとして、他の所員は問題に気づけ。


つーわけで、きちんと作り上げた仕組みならありえない穴が使われている、というあたりが多少不満ではありますが、まあ面白かった、と思います。つーか、先日の日記にも書きましたが、タイトルの意味に気づけなかった時点で俺の負け。ちくしょー。