聖杯を求める理由

……私は聖杯を手に入れなければならない。
けれど、それはシロウにも当てはまる

士郎とセイバーの類似点。王となるときに人であることを捨てたセイバーと、正義の味方として他人を助けるために自分という存在がなくなっている士郎。セイバーは自分という存在が感情に入っていない士郎の異常さを心配し、士郎は人であることを捨てたセイバーに苛立つ。
……たぶんこのシーンのセイバーは、そんな類似点のことを言っているのではなく、二人とも巻き戻してなかったことにしたい過去を持っているという共通点のことを言っている。でもその点に関して、二人の考えは決定的に違う。だから、士郎は聖杯を欲してなどいない。
――その考えの違いはもう少し後でもっとはっきり語られる。